乱立する「○○版Airbnb」モデルーー出張向けの「Mint House」が150万ドル調達、勝負ポイントは”テックフレンドリー”さ

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ピックアップMint House Gets $15M To Enhance Your Business Travel Experience 

ニュースサマリー:ビジネス旅行者向けホスピタリティーサービスを提供する「Mint House」は9日、シリーズAにて150万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はRevolution Ventures。また、NextView Ventures、Nelstone Ventures、Ingleside Investors前Starwood Hotels CEOのTom Mangas氏も同ラウンドに参加している。

同社はビジネストラベラー向けにハイエンドな宿泊施設を提供しているスタートアップ。米国内のみの運営で、主にデトロイト、ナッシュビル、インディアナポリス、デンバー、マイアミなどを中心に計200の施設を提供し、今夏までに新たに200施設を追加するとしている。

アプリ一つでチェックイン・チェックアウトなどの諸手続き、またコンシェルジュサービスをシームレスに実行できるのが特徴。テクノロジーに順応させ、ストレスフリーな旅を実現できる。

話題のポイント:以前ご紹介したように、「○○版Airbnb」のビジネスモデルが乱立している状態です。

<参考記事>

今回ご紹介するMint Houseも、ある意味ではこの枠組みに入るものです。Airbnbでは、多くのケースでホスト側とやり取りを行い、入居時間や退去時間、鍵の場所などコミュニケーションを取らなければなりません。同社のサービスではそれらを一切排除し、シームレスな宿泊体験を提供しています。

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Nashvilleの家。1泊225ドル

特に、時間的制限の多いビジネストラベラーをターゲットとすることで特定の市場確保を目指している印象を受けます。ビジネストラベラーに関わる市場はグロース段階で、今後も大きく成長が見込まれる分野です。

Allied Market Researchのレポートによると、2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで膨れ上がると予想しています。特にアジア太平洋地域における2017年から2023年までの年平均成長率は5.5%とエリア別で最も高くなっているんです。

Business travel market by geography
Credit:Allied Market Report

とはいえ、Airbnbとの差が「テックフレンドリー」や「シームレス」のみだと今後淘汰されてしまう可能性は多く残されています。また、Airbnbは「Airbnb for Work」といった取り組みも積極的に始めており、法人利用の加速を進めているのは明らかです。

では、どう差別化を図ればいいか。逆に言えば、Airbnbには存在しない何に対して今後の需要を予測し、同市場周りの新サービスを打ち出せるかがカギになってきそうです。また、Selinaの際も書きましたが、ローカルにブランディングを進めていく戦略もAirbnbに打ち勝てる大きな一歩になるのではと考えています。

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