香港RISE 2019開催まであと半月、主催者CEO Paddy Cosgrave氏に聞いた今年の見どころ——ピッチ参加などへのエントリは今週末まで

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参加者数のべ7万人以上を集めるまでに成長したスタートアップ・カンファレンス WebSummit は、北米(トロント)では Collision、そして、アジア(香港)では RISE を開催している。

今年トロントで初めて開催された Collision(昨年までは、ニューオーリンズで開催されていた)が終わって1ヶ月足らずだが、早くも今年の RISE の日程が間近に迫りつつある。主催者 CEO である Paddy Cosgrave 氏に、今年の見どころを聞いた。

メインイベントを半月後に控え、イベント準備のため本社のあるダブリンから香港入りしたばかりの Cosgrave 氏は、「まだ時差ボケ中」と言いながらもいくつかの質問に答えてくれた。

WebSummit CEO の Paddy Cosgrave 氏(右)と、RISE Co-host の Casey Lau 氏(左) – RISE 2016 で撮影。
Image credit: Masaru Ikeda

もうアジア入りしてるんですね?

イベントの準備のためですね。それと、これからの数週間で、日本や韓国に訪問し、メディアの人たちとかに会って RISE のことをアピールする予定。

今年の RISE で新しいこと、大きなことは何だろう? 何か新たな試みはある?

アジアじゅうからユニコーンの起業家が来て、話してくれることですね。それから、これは後で話すけど Venture Stage という大企業とスタートアップとの連携(オープンイノベーション)に特化したステージも開設する。

ヨーロッパ発祥の WebSummit がアジアで RISE を開催するということは、ヨーロッパのスタートアップがやってきて、アジア市場で成功することにも貢献していると思う。RISE が始まって数年経過した今、これまでに何か好例はありますか?

いい体験をしたという話は聞くことはあるが、正直なところ、スタートアップにとっての成功は、各社さまざま。我々は機会を提供することはできるが、成功を保証するとかできないし、成功の定義も各社様々。そうでしょ?

今年は何人くらい参加する予定?

15,000人から16,000人くらい。昨年と同じくらい。参加を希望する人はもっといるのだが、会場(香港国際展覧中心)のキャパシティの問題から、それ以上増やせない事情がある。そんなこともあり、来年からは(7月ではなく)3月開催にする予定だ。

WebSummit はダブリンからリスボンへ、Collision はニューオーリンズからトロントへ移転したわけだけど、RISE は香港にとどまるの?

先ほども言ったのように、会場のキャパシティが参加者数をカバーしきれなくなっている課題があり、移転先も考えている。一つの可能性としては、香港国際空港近くにある Asia-World Expo とか、マカオとかも考えられる。日本の可能性もありますね。日本は素晴らしいロボティクスのスタートアップが多く生まれている地であり、そういう意味でも期待は大きい。

ともあれ、現在言えるのは、あと2年は香港で RISE を続け、2021年にどうするかを決断するということだ。アジアの他の場所で RISE を開催することになるかもしれない。

RISE 2018 の会場
Image credit: Masaru Ikeda

今年の RISE には、日本から資生堂 代表取締役社長兼 CEO の魚谷雅彦氏が登壇、同社が進めるスタートアップへの投資や買収、横浜に開設されたイノベーションセンター「S/PARK」などの話を披露する予定。資生堂はこれまで SXSW などでも社内開発やスタートアップとの協業で生み出されたサービスやアプリケーションを展示してきた。同様に RISE でデモ展示されるかどうかについては、「もちろん、展示できるといいのだけど、会場のキャパシティの都合上、チームが鋭意検討しているところ(Cosgrave 氏)」ということだった。

駆け出しスタートアップが無償でピッチ・コンペティションにエントリでき、審査をパスしたチームには RISE 会場内で展示ブースが提供される「Startup ALPHA」のプログラムも、まだ参加応募を受け付けている。Web サイト上には締切日は掲載されていないが、RISE チームによれば締切は今週末までということなので、この機会への参加を希望するスタートアップは早めのエントリをオススメする(Collision の拙稿では、Collision の Startup ALPHA に採択された HoloAsh を紹介した)。

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