シンガポールの Golden Equator Capital(GEC、金道)は、アジア地域の上場企業の成長資本向けに、総額9,000万米ドルの2つのプライベートキャピタルファンドを調達したと発表した。
シンガポール、日本、韓国の機関投資家と認定投資家が、これらのファンドに資金を投じた。
今回の2つのプライベートキャピタルファンドは、東南アジア地域の企業やビジネスプロジェクト向けに、買収・事業拡大のための成長資金を提供するプライベートデットとメザニンファイナンスとして運用される。
GEC によると、同社のマネージングパートナー Jacob Jiwon Kim 氏がリードするこれらのプライベートキャピタルファンドは、主としてインフラストラクチャー、エネルギー、金融セクターにフォーカスする。Kim 氏は、アジア市場をカバーする複数のヘッジファンドとプライベートエクイティファンドのマネジメント経験をベースに、アジア地域の様々な政府機関や金融機関で、企業戦略と買収のスペシャリストとして働いてきた経歴を持つ。
Kim 氏は次のように語っている。
従来、アジア市場に資金を提供してきたのは欧米の銀行でした。しかし、過去10年でこれらの貸し手がアジアへの投資を縮小したため、アジアの新興経済国が切実に求めている成長資金の需要と供給のギャップが大きく広がっています。
同時にまた、日本や韓国などの先進アジア市場にある多くの資本が、国内市場よりもリターンの大きい投資先を探しています。私たちが持つアジア地域のネットワークとマーケットに関する専門知識を活用し、そういったアジア先進市場の投資家に対して東南アジアでの投資機会を提供できると考えています。
今後の見通しとしては、GEC は来年、2億米ドル規模のブラインド方式のファンド調達を目標に掲げる。一方ファンドマネージャーの Kim 氏は、複数の追加プロジェクトに取り組む中で、さらにいくつかのプロジェクトファンドをローンチする可能性があるという。
アジアにフォーカスしたプライベートデットファンドへの注目が高まる中、900以上の機関投資家が、過当な競争を避けつつプライベートデットのポートフォリオを多様化させる方向で、プライベートデット戦略の強化を打ち出している。Preqin の調査によると、30%の投資家が、アジア市場はプライベートデット投資に最良の投資先であると考えている。
Golden Equator Group に属する GEC は、シンガポールを本拠とするファンドマネジメント企業で、キャピタルマーケッツサービス(CMS)のライセンスを保有する。GEC は現在、5つのファンドを所有している。その内訳は、プライベートキャピタルファンド 2つ、プライム通貨インカムファンド 1つ、ベンチャーファンド 2つである。
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