楽天傘下のメッセンジャーアプリ「Viber」、アプリ内ショッピング機能をローンチ——Macy’sやRakuten.comなどが参加

by Paul Sawers Paul Sawers on 2017.3.7

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Viber: チャット内ショッピング
Image Credit: Viber

チャット・メッセージングアプリ大手の Viber は、チャット中でも利用できる新機能「インスタントショッピング」を発表した。この機能により、ユーザは Viber を利用しながら商品の検索ができる。

この新しいソーシャルコマース機能は、まずベータ版が3月6日に米国へ上陸し、その後、年内に世界中でロールアウトされる予定だ。

今回のローンチには、Macy’s と、興味深いことに Rakuten.com が参加する予定だという。Rakuten.com は以前は Buy.com という e コマースマーケットプレイスだったが、2010年に日本のテック巨大企業である楽天によって買収された。さらに、楽天は2014年に9億米ドルで Viber を買収し、その親会社となった。 これだけを見ても、楽天が自身の持つサービスを互いに組み合わせようとしていることは明らかだ。

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Viber: ショッピング

本記事の執筆時点で参加が確実なのは Macy’s と Rakuten.com だけだが、3月初めのローンチまでには、より多くのビッグネームの参加が発表されるそうだ。

ここで重要なのは、新たなショッピング機能が取引の最終段階にまで拡張されていないということだ。ユーザは、Viber 内でアイテムを検索してそれをシェアすることができるが、欲しいものが見つかった場合は、サードパーティの小売企業のサイトに移動して購入することになる。しかし、Viber の広報担当者は VentureBeat に対して、最終的な目標はアプリ内での支払いを可能にする完結型コマース体験を創造することである、と強調した。

e コマースをメッセージングの世界に取り入れるという考え方は、もちろん新しいものではない。Facebook は、Messenger を友人、顧客、企業の間でコミュニケーションをとるための定番プラットフォームにするために、当初から e コマース企業の Zulily や衣料品小売企業の Everlane をはじめとする有名企業と提携して、長年にわたり Messenger の売り込みを行っている。しかし、これまでの提携は本格的な e コマース体験を提供するものではなく、カスタマーサービスやコミュニケーションのためのものだった。

Viber の最近の動きは、メッセージングアプリ自体に埋め込まれた巨大ショッピングモールの誕生を予感させる。もちろん、一つの人気プラットフォームで友人とチャットするだけでなく買い物までする必要がない、と主張する人もいる。しかし、いくつかのクロスオーバーがあることは確かだが、結局のところ、それらは別々のアプリに属する異なる体験なのだ。

Viber で CEO を務める Djamel Agaoua 氏は次のように語る。

メッセージングビジネスは、モバイルデバイスの世界へ旅立ったばかりです。e コマース機能を追加することで、モバイルショッピングユーザは、たった数回スマートフォンをタップするだけで大切な人々と情熱を共有することができるようになります。これから Viber が提供するのはそういうソリューションです。私たちはまさにユーザをエキサイティングな旅に連れ出そうとしており、これはその第一歩に過ぎません。より多くのパートナーを加えて、集まるフィードバックが増えていけば、この機能はより良くなっていくでしょう。

今回のローンチは、どんどん消費者と企業をつなげていきたい、という Viber の気持ちの表れでもある。 昨年11月には、Facebook に続くかたちでブランドの公式アカウントを開設し、1対多の情報発信と1対1のコミュニケーションを可能にした。このことから、Viber はカスタマーサービス、マーケティング、販売のプラットフォームとして自らを売り込んでいることがわかる。このチャット中でも利用できるショッピング機能によって、Viber はマネタイズというパズルのピースを一つ埋めることができた。

今月初めに Agaoua 氏を任命するまでの1年以上にわたり、Viber には CEO がいなかった。Agaoua 氏はつい最近までモバイル広告企業 MobPartner の CEO を務めていた(同スタートアップは2015年3月に Cheetah Mobile によって買収された)。先端テクノロジー業界のベテランである同氏は現在、Viber の舵取りを行うだけでなく、Viber が向かうべき方向を決めるための道しるべのような役割も担っている。Viber は、自身の持つ8億人の強力でグローバルな顧客基盤に何とかしてブランドをつないでいきたいと考えている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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