タグ入れのみでサイト速度向上、クリック先読み「Repro Booster」が話題【CANVAS 編集後記】

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Reproが公開したサイト速度改善ツールは大きな反響を生んだ

こんにちは!BRIDGE編集部の平野です。毎週お送りしているスタートアップニュースのまとめ、先週話題になったのはクリックを先読みしてサイト表示を高速化する「Repro Booster」に注目が集まりました。

スタートアップにおける「二匹目のドジョウ」問題

Reproは2014年創業のデジタルマーケティング領域のスタートアップです。代表で創業者の平田祐介さんは戦略コンサル出身で、2010年代に発生した世界的なスマートフォン・シフトの波を掴んだ起業家のひとりになります。サービスの開始当初はアプリ分析から手掛けるのですが、平田さんは市場の限界を感じ、当時はまだ黎明期だったアプリマーケティングに舵を切ります。これが大きくヒットし、一気にサービスへのアクセスが殺到するわけです。

ただ、当時の組織は20名程度。迫り来るトラフィックを捌ききれずにサービスは停止。改修にかかる時間はどう見積もっても半年はかかるという絶望的な状況の中、チームがとった一発逆転のストーリーは過去の記事に掲載しました。

そんな幾多の困難を乗り越えたReproが新サービスを公表しました。

サービスの詳細は記事や続編のインタビューをご覧いただきたいのですが、話を伺っていて強く感じたのがスタートアップにおける「二匹目のドジョウ」問題です。スタートアップの経営は課題に一点集中投資することで急成長を遂げるパターンが多いのですが、どうしても創業者の成功体験に寄るところが大きく、組織的な成功の再現が難しくなるのですね。そういう意味で今回、平田さんがノータッチで新サービスが生まれたことは未公開スタートアップとしては稀なケースかもしれません。

開発したFOXさんは初期の頃からReproに参加しているエンジニアの方だそうで、特に何かリクエストがあってそれに応えたわけではない、という点も興味深い内容でした。全体集会でチャットに「こんなことができますよ」という提案をして始まったプロジェクトは、結果的に大きな反響を得てチームは忙しく対応に奔走しているそうです。まだまだ立ち上がったばかりでこの先どうなるかは未知数ですが、Reproが株式公開した時にこのプロジェクトがどのような売上構成になっているか真っ先にチェックしてみたいと思います。

今週の調達ニュース

毎週発表されるスタートアップの資金調達やテックトレンドを週単位でまとめてお届けします。今週特に注目を集めた話題は「ミレニアル女性向けキャリアサービス「SHElikes」運営、デット含め18億円をシリーズB調達」でした。国内主要スタートアップ各社の調達ニュースは一覧からどうぞ。

特集:Figmaに続け!次世代クリエイティブツール

Adobeが200億ドルという破格の評価でデザイン編集ツール「Figma」の買収を発表しました。近年のノーコード・クリエイティブ経済の高まり、AIによる画像生成ツールの登場など様々な背景もあって、オンラインのクリエイティブツールに注目が集まっています。

今週の特集では、日本ではまだあまり知られていないクリエイティブツールを提供するスタートアップ3社を紹介しました。SNSファーストで服や小物を揃える世代に刺さるインタラクティブなツールから、ここ数年ほとんど代わり映えしなかったGoogleマップのアップデートツールまで個性的な3つをぜひチェックしてみてください。

時の人:【Web3起業家シリーズ】NFT真贋判定「eagis」woorth中野氏

MUGENLABO Magazineで連載しているWeb3起業家インタビューシリーズ、9人目の登場は大阪を拠点にNFT真贋サービス「eagis」などを開発するwoorthの中野泰輔氏です。NFTの流通で度々問題になる、ブロックチェーンに記録された「データ自体が本物かどうか」という課題にチャレンジされています。インタビューでは中野さんが手掛けられているeagisのこと、実現したいWeb3サービスの世界観、Web3のスタートアップを始められたきっかけなどについて話を聞きました。

その他の話題をタグにまとめた「Canvas【2022年10月号】」はこちらから

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