東南アジアのフリマアプリ「Carousell」、多国籍メディア企業Naspersの傘下から5,600万米ドルを調達——バリュエーションは5.5億米ドル超に

by Tech in Asia Tech in Asia on 2019.4.15

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左から:Carousell 共同設立者 Marcus Tan 氏、Lucas Ngoo 氏、Quek Siu Rui 氏
Photo credit: Carousell

南アフリカに本拠を置く多国籍メディアコングロマリット Naspers が保有するクラシファイド広告大手の OLX Group は、東南アジアのモバイルフリマサービス大手 Carousell の10%の株式と引き換えに、5,600万米ドルを出資した。これは Carousell が11日に発表したもので、Carousell のバリュエーションは5億5,000万米ドルを超えた Carousell は、OLX Group のフィリピン事業を取得し、今年第2四半期中を目途として、段階的に Carousell のプラットフォームに取り込む方針。OLX フィリピンにはの月間ユニークユーザ数は現在、600万人。

Carousell 上で売買された商品数の推移

Carousell は、品物の掲載と販売でマーケットプレイスを成長させてきた。11日、Tech in Asia が入手した会社登記によれば、Carousell のシンガポール法人である Carousell Pte Ltd の払込資本金は、2018年のシリーズ B ラウンドでの1億2,700万米ドルから、1億8,400万米ドルに増えていることがわかった。今回の投資によって、OLX Group は e コマース企業の楽天(29.6%)、ベンチャーキャピタルの Sequoia India(15.1%)に続く大株主となる。今回の巨額の資金注入後、Carousell の3人の創業者 Quek Siu Rui 氏、Marcus Tan 氏、Lucas Ngoo 氏の保有株式はそれぞれ8.75%となる。

TechCrunch によれば、Naspers と Carousell は少なくとも10ヶ月前から出資交渉に入っていた。その協議において、Carousell のバリュエーションは5億米ドルを超えていた。今回の出資は、Naspers が Carousell が支配的持分を取得しようする前兆かもしれない。

OLX Group は、車、仕事探し、不動産など、さまざまなクラシファイドをターゲットに、世界中で18ブランドを展開している。同社ウェブサイトに拠れば、全世界での月間アクティブユーザ数は3億5,000万人を超え、従業員数は5,000人を超えるという。OLX はその株式の多くを、企業価値1,000億米ドルを超える南アフリカのインターネットメディア企業 Naspers が保有している。Naspers の資産価値は、同社が初期に投資し多くの株式を保有する中国のテック大手 Tencent(騰訊)と関係している。Naspers は事業を投資から多角化しつつあり、Carousell への出資はその構想に沿ったものだ。

Carousell の3人の創業者は大学を卒業後2012年に同社を設立、東南アジアのモバイルクラシファイドの先駆けとなった。Carousell のアプリは商品の掲載をものの30秒で完了するほど簡単にし、人々が家庭で不要になったものを掲載し、洋服や家具などの販売で副収入を稼ぐ方法として、まもなく人気となった。クラシファイドのプレーヤーとしてはトップの座に君臨し、アジアの数カ国ではアプリのダウンロードランキングでも上位にある。

Carousell の Anrdroid アプリ・ダウンロードランキング
Image credit: AppAnnie
Carousell の iOS アプリ・ダウンロードランキング
Image credit: AppAnnie

最近になって、Carousell はアプリ内広告や販売ツールで流入客のマネタイズを始めた。このマネタイゼーションの直近の成果について、Carousell は情報開示を拒否している。この点においては、完全成果型広告や販売ツールを提供する Shopee や Tokopedia といった C2C のマーケットプレイスとも間接的な競争に直面している。それに加えて、こういったプラットフォームは販売事業者の体験を改善すべく、物流システムにも投資を始めている。

Carousell は自らのアセットをあまり持たず、商品の掲載体験とトラフィック流入増に注力しているようだ。

3秒間のプロセスで販売ができるだろうか? 写真を撮って、それで完了となるだろうか?

Quek 氏はかつて、そのように熟考していた

不動産、仕事探し、サービスのほか車といった高価格帯の情報掲載にも進出しているが、このような分野を扱うマーケットプレイス大手とは激しい競争に直面している。しかし究極的には、中国国外のオンラインマーケットプレイスは、既に E コマース機能を公開している Facebook や Instagram からのプレッシャーを感じることになるだろう。うまくいけば、彼らはユーザからより多くの価値を獲得できるかもしれない。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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