SaaSに特化したスタートアップカンファレンス「SaaStock」のアジア版、今月14〜15日に香港で初開催へ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.5.1

2016年、ダブリンで開催された SaaStock の初回イベント。
Image credit: SaaStock

今月14〜15日、アジアで初めてとなる SaaS に特化したスタートアップカンファレンス「SaaStock」が、香港のスタートアップ・ハブ/テクノロジーパークの一つ Cyberport(数碼港)で開催される。

SaaStock が始まったのは2016年、ダブリンでのことだ(リスボンに移動した WebSummit も発祥の地はダブリンだった)。ロンドンでクラウドサービスの営業職に従事していた Alexander Theuma 氏(現在、SaaStock の CEO)は2015年に仕事を辞め、その後、1年ほどかけて SaaStock を準備した。初回の SaaStock 2016 には700名の SaaS スタートアップの創業者らが参加したという。

当初は、ローカルの SaaS スタートアップが集めればいいと思っていた。しかし、フタを開けてみると、世界中34カ国から SaaS スタートアップや起業家が参加していたんだ。これは世界中に需要があると思って国際展開を始め、今年は世界五大陸で開催することになった。先週は LATAM(ラテンアメリカ版)をブラジル・サンパウロで開催したばかり。今月開催するアジア初となる香港でのイベントも非常に楽しみにしている。(Theuma 氏)

SaaStock のチーム。左から2人目が Alexander Theuma 氏。
Image credit: SaaStock

SaaS はその性質上、市場展開において地理的な制約を受けにくい(日本の場合は、言語障壁やビジネス慣習の違いがあるので、欧米とは多少事情が異なる)。リモートワークも盛んになりつつ昨今、ヨーロッパのスタートアップはある程度の売上を稼げるようになると拠点をシリコンバレーに移し、アメリカのスタートアップに姿を変え、世界最大の SaaS 市場を取りに行くのが流れになっている。その典型として、Theuma 氏はデンマーク・コペンハーゲン発の Zendesk の名を挙げた。2007年に創業した Zendesk は2010年にシリコンバレーに進出、2014年にニューヨーク証取で IPO を実現している。

スタートアップシーンの変化に応じて、投資家や起業家のニーズも激しく変化しているのだろう。新しいスタートアップカンファレンスが生まれ、古いスタートアップカンファレンスが淘汰されていくのは、多産多死が宿命であるスタートアップコミュニティの生態系を彷彿させる。日本でも、従来型の包括的なテーマを追うスタートアップイベントが鳴りを潜める一方、バーティカルやテーマに特化したイベントが増えつつあり、SaaS の隆盛を受けて、SaaS Conference Tokyo のようなイベントが始まったことも記憶に新しい。

Image credit: SaaStock

SaaStock Asia 2019 には200名ほどの SaaS 関連投資家や起業家が参加する予定。ダブリンで今秋開催される本家では7,000名の来訪を見込んでいることから考えると、かなり慎重を期した数字だ。SaaStock にとってはアジアへの進出は初めてであることから、カンファレンスの質の維持に注力し、規模を大きくすることを急がないという判断からだ。

SaaStock のユニークな点を尋ねたところ、Theuma 氏は SaaStock が多くの小さなイベントの集合である点を挙げた。2日間にわたるイベントではさまざまなセッションが並行で開催されるが、特筆すべきは、ワークショップとブートキャンプで構成される〝1日限定アクセラレータ〟「SaaS.City」と、コーヒーやウイスキーのテイスティング、ゴルフや釣りなどスポーツなどネットワーキング機会の提供に特化した「SaaSociety」だ。起業家と投資家の出会いを提供するだけでなく、イベント会場で新たなスタートアップが生まれたり、起業家が共同創業者や同志を見つけたりすることも期待できる。

先週、ブラジル・サンパウロで開催された SaaStock LATAM(ラテンアメリカ版)の模様。
Image credit: SaaStock

THE BRIDGE では SaaStock Asia 2019 の模様を現地からお伝えする予定だが、THE BRIDGE 読者を対象に起業家用チケット(数百ドル相当、このチケットでは投資家は参加不可)を6枚無料進呈してもらったので、参加を希望する起業家はこのフォームから知らせてほしい。欲しい枚数(1社/チームにつき最大で2枚)、社名や提供サービスなども添えていただくと幸いである。応募者多数の場合は、起業家優先、抽選となる点はご容赦ください(5月6日締切、7日までに当選者にのみ連絡)。

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