お金関連、ガイド、ものづくり系ーー2014年を占う、注目のスタートアップ18社と6つのテーマ+α(2/3)

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ちょっと間が空いてしまったが、Japan Startup Awawrdにノミネートされた18社についてまとめたコラムの続きをお送りする。(前回はこちら)今回はお金関連、ガイド、そしてものづくりについて振り返りと注目点を整理した。

ラウンド3:お金周辺

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お金に関するビジネスのネット化というのは、証券系、決済系、そして近年では保険関連と「正しく」既存業界のリプレイスを実行している印象がある。そしてここ数年は「クラウド」や「スマートフォンシフト」というキーワードに乗ってまた新たなスタートアップが生まれている。ラウンド3のノミネート3社はその代表例だ。

商習慣との戦い

彼らを取材する時の共通の話題が、そこにある商習慣との戦いに関するものだ。システムやサービスの難しさだけではなく、既存業界のルール、例えばCoineyはあの端末に目を奪われがちだが、実際は国内の関連会社との交渉などに多くのリソースを費やしていると話してくれていた。

古い業界に鎮座するプレーヤーの多くは腰が重く、若いだけのスタートアップではこの分野を攻めることは困難かもしれない。実際、家計管理のマネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏は元マネックス証券だし、freeeの代表取締役、佐々木大輔氏もGoogleで中小企業を担当した実績やCFO経験からこの分野を選択している。Coineyの佐俣奈緒子氏は元Paypalだ。大切な情報の取り扱いになる以上、門外漢の出番は少ないとみた方がいい。

注目のスモールビジネス向け会計市場

freeeに引き続き、マネーフォワードが開始した会計管理のサービスには、弥生会計などに代表される個人事業者向けのパッケージソフトという「リプレイス相手」がいる。オンラインバンキングとの繋ぎ込みや、アカウントがすぐに開設できる手軽さなど、クラウド会計ならではのメリットを提示しながら、高額なクライアントアプリが基本だった分野のビジネスモデルを売り切りから課金に変化させようとしている。

問題は会計事務所がそれに対応できるかどうかだ。私が使っていた小さな会計事務所は残念ながらGoogleアカウントすら知らない。ましてやこちらの都合で使用するアプリを変更することはありえない。既存の会計ソフトとのデータ連携はできるものの、やはり双方が利用できた方がメリットは大きい。

ということでバックグラウンドがある事業者であればこの分野のニッチを探して今から攻めても面白いかもしれない。

ラウンド4:ガイド

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2013年はソーシャルの波に乗って出現してきたバーティカルメディアにとって勝負の年だったように思う。このラウンドにノミネートされたRettyとTrippieceは公開から数年、地道に資金調達やユーザー数を重ね、Rettyについてはここ数カ月で閲覧のユーザー数を伸ばしてきている。Trippieceも経営布陣を強化して足回りを固めていることがよくわかる。

あそびゅーは典型的なSEO型の予約ができるガイドサイトだが、注目したいのはその立ち上がりの速さだ。2013年4月に公開後、わずか半年でアクティビティが1500件、予約件数も5000件を達成している。運営しているカタリズム自体が3年目のスタートアップであり、テーマさえ見つければまだ空いている席があるのかもしれない。

「ニッチでスケールさせる」という矛盾

しかし、一方で上記以外のバーティカルメディアで苦戦を強いられているものも多くある。具体名は避けるが、ニッチすぎてユーザーが結局拡大しなかった、ということだ。また、トラフィックに関しても新しい流入元としてのソーシャルに期待が集まった時期もあったが、SEOを併用する場合も多く、この辺りの選択やリソース配分についても大切な検討要素と感じられた。

ちなみに、この分野で次に予想されているのがまとめ系だ。先日公開されたiemoなどがそれにあたる。

ラウンド5;ものづくり系

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2014年、つまり来年だが、最も注目しているのはハードウェアを中心とするものづくり系のスタートアップだ。すでにウェブサービスが飽和し、テーマがどんどんニッチに進む中、プラットフォームとなりうる急成長分野はなくなりつつある。二次元の画面でできることはもう限界に近づいているのだ。

ただし、ここでいうハードウェアは決してハード単体ではない。当然のことながらウェブサービスと紐づき、特にビジネスモデルを売り切りから課金へと変化させるかどうかに注目している。

プラットフォームを取るのは誰か

Rinkakが開始しているプラットフォームや、TokyoOtakuModeが展開しているコンテンツプラットフォームはそういう視点で眺めると可能性の宝庫にしかみえない。何かが動く時、大量にデータを持っているものが勝つという構図は昔も今も一緒だ。わかりやすい参入障壁になってくれる。

一方でハードウェアは生産に特殊なノウハウが必要であり、常に人材欠乏に悩んでいる。既存メーカーがさらに厳しい状況に追い込まれ、優秀な技術者が新しい市場に流れ込んだ時、おそらく時代は変わるだろう。

さて、このコラムの続きはラウンド6のエンタープライズと教育、そして今回、ノミネートには上がらなかったが注目しているクラウドソーシング関連について書いてみたいと思う。