iemoの劇的な代表交代、Wantedlyは新しいソーシャルへの展開へーー8月に動いたスタートアップ人材たち

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人材こそスタートアップの価値、iemoにみる劇的な代表人事

恒例になるが、8月(7月15日から8月15日までのニュース)で気になった国内外スタートアップの人の動きをまとめた。毎度の指摘になるが、売上もそのモデルも不安定なスタートアップにとって「人材」はそのまま企業価値に紐づく。そういう視点でインテリアまとめサービス「iemo」の代表人事を眺めると興味深い点に気がつくだろう。

2013年12月にサービスを正式公開し、その4カ月後にフォリフ創業者の熊谷祐二氏を共同代表取締役COOに据える人事を発表、さらに4カ月でその代表を交代、次にその役割を担うことになったのはサイバーエージェントでAmeba事業を率いた鈴木裕斗氏だった。

村田氏はご存知の方も多いと思うがサイバーエージェント新卒第一期生、創業したコントロールプラスではソーシャルゲーム事業をgumiへ事業売却した経験を持つ「女性連続起業家」だ。同氏の人脈の広さが伺えると同時に、この体制強化の意図が今後の同サービスの行く末を占う意味で重要なキーになることは想像に難くない。

また同じような動きとして、ヘルスケアスタートアップで注目株のFINCにも元みずほ銀行常務の乗松文夫氏が取締役副社長CFOとして参加しており、先頃の資金調達の話題と合わせてこの人事を考えると理解しやすい。

BASEの動きも活発だ。

共同創業者の家入一真氏(paperboy&co.の創業者)をはじめ、5月にはやはり元GMOペパボ(paperboy&co.の現社名)の元取締役、福岡支社長だった進浩人氏がCOO(最高執行責任者)として参加しており、経営幹部に「ペパボマフィア」が集結している状況が進んでいる。そしてここにきてモバツイ開発者であり、やはり「ペパボ」に関連の深い藤川真一氏がCTOとして参加、後日、同氏は正式に取締役に就任している。

新しい局面を迎えるソーシャルリクルーティング、人材サービス

人材がスタートアップの価値に繋がると考えれば、採用がいかに重要か理解できると思う。もちろん、創業メンバーに近い幹部クラスは村田氏のように自らの人脈で引き抜きする必要があるのだろうが、全てのチームを一本釣りすることは難しい。そこで役に立つのがリクルーティングサービスだ。

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国産スタートアップでそのポジショニングを確実なものにしつつあるWantedlyが新しい展開を示した。Wantedlyに登録している企業が会社のページに日々の業務の様子やニュースリリースを投稿できる「会社フィード」をリリース、よりLinkedInなどにみられるソーシャルネットワークに近い方向性に向かおうという意図が感じられる。

ちなみにLinkedInの成長については大変奇麗なグラフが公開されており、先頃発表された2014年Q2の決算発表では売上5億3390万ドルと、ここまで「絵に描いたような」成長を示すことに成功している。

また、その他にも女性キャリアに焦点を当てたLiBがサイバーエージェントベンチャーズから資金調達を実施、よりハイキャリアなセグメントを攻めるという「特化型」の動きを見せている。同じく、元ノボット創業者であり、現在シリコンバレーに拠点を移してスタートアップを仕掛ける小林清剛氏も、「遠隔地でのハイアリング」という国を跨いだ人材発掘というアプローチで、新たな人材サービスの提供を進めようとしている。

その他、海外で気になる人材の動きをまとめたので適宜チェック頂きたい。

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