オンラインマルシェ「食べチョク」のビビッドガーデンが2億円調達、為末大氏らが出資

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ビビッドガーデン代表取締役の秋元里奈さん

ニュースサマリ:オンラインマルシェ「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは10月2日、第三者割当増資の実施を公表している。9月5日に公表している神明ホールディングスとの業務資本提携と同じ投資ラウンドで、引受先として参加したのはマネックスベンチャーズ、iSGSインベストメントワークス、VOYAGE VENTURES、ディー・エヌ・エーの5社と複数の個人投資家。

個人投資家で氏名が公表されているのはカンカク代表取締役の松本龍祐氏と為末大氏の2名。調達した資金は2億円で、それぞれの出資比率などの詳細は非公開。調達した資金は現在10名ほどの体制を増員するほか、新規顧客獲得のためのマーケティングに使われる見込み。

ビビッドガーデンの創業は2016年11月。翌年の5月に生産者から直接農作物を購入できるオンラインマルシェ「食べチョク」を公開した。2018年2月には複数の著名エンジェルから資金調達を成功させ、主力の野菜を定期購入できる「食べチョクコンシェルジュ」を提供開始。2019年からは取り扱い商品を野菜から肉や魚、お酒などと拡大させており、併せて流通網についても大手米卸の神明ホールディングスと提携するなどして強化を計画している。登録している生産者は500件。

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急遽作ってもらった食べチョクで扱いのある野菜さんたち。この量でサンプルぐらいだそう

話題のポイント:生産者と消費者を繋ぐマーケットプレイスは食べチョクのほかにポケットマルシェや、先日名称を変更したukka(ウッカ)などがあります。いずれもサービス側で集客し、生産者が注文に応じて流通網を使って直接商品を送り、プラットフォーム側に手数料を支払うモデルです。

ビビッドガーデン代表取締役の秋元里奈さんにお話伺ったところ、野菜という低単価な商品ながら定期便が成功し、順調に流通総額やLTV(ライフタイムバリュー)が伸びたことから今回の調達に繋がった、というお話でした。

私もこういった食品の定期購入は何度か使ったことがあるのですが、やはり定期的に送られてくることから生活リズムと合う・合わないが出てきてしまい、入会しては退会して、を繰り返していました。結果、今はスーパーが近所にあることから食べる分だけ購入する、というスタイルに落ち着いています。

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ビビッドガーデンのオフィスは一軒家。キッチンで産直食料をみなさんで食べてるとか

秋元さんに継続利用のポイントをお聞きしたところ、隔週で送付するというタイミングが重要なのだそうです。また、そもそも野菜という低単価の商品であることも続けやすい理由になっている、という説明でした。利用は30代の主婦が中心で、鮮度の高い野菜が生産者から直接送られてくることに魅力を感じている方が多いそうです。

順調にユーザーを獲得することに成功した食べチョクですが、もちろんまだまだこれからです。現在進めている取り扱い商品の拡大もそうですが、やはり流通網の整備が重要なポイントになってきます。現在は既存の流通網を使っていますが、当然ながら野菜は重量やかさばりがありますから結構な送料になります。これについては提携を発表している神明ホールディングスとの取り組みがポイントになりそうです。

野菜は「客寄せ」商品としての位置付けなんだそうです。安くてボリュームもあるので、手に取りやすく、また、冷凍保存ができないことから頻繁に購入することになります。秋元さんに聞いてなるほどと思ったのですが、スーパーの入り口に置いてあるのはそういう理由からなんだそうです。集客効果を期待して、その後、肉や魚、加工食品といった収益のあがる商品に導線を作る。食べチョクもまさにこの戦略を踏襲してうまくヒットしたというお話でした。

生産者と消費者が直接インターネットで繋がる、という考え方はこれまでもずっとありましたが、ようやく現実生活でも「普通のこと」になりつつある、そんな話題に感じました。

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