世界最大のユーザベースを誇る中国の通信企業China Mobile(中国移動、NYSE:CHL; HKG:0941)がグローバルユーザ向けに独自のメッセージアプリをローンチしたのは、世界規模で成功をしているWeChatとSkypeに刺激されたからだろう。同社のJegoと呼ばれるアプリには、iPhone版とAndroid版があるが、デスクトップ版のアプリはない。
世界中のどこででも電話番号でサインアップできるようだが、この新しいアプリJegoは実際には新しいタイプのソーシャルメッセージアプリというよりもSkypeのようなサービスだ。というのは、国際電話の通話プランがあるからだ。
例えば、Jegoのユーザは月額12ドルのクレジットを購入すれば香港に通話無制限のプランにサインアップできる。現在は世界20か国を対象にしたモバイルと固定電話向けの通話料金(料金表はこちら)もあり、例えば、シンガポールの固定電話とモバイルの通話料金は1分0.02ドルとなっている。この通話料金はほとんどの電話会社(China Mobileも含む)が国際電話に請求する料金よりも遥かに安く、料金の手頃さにおいてはSkypeの有料機能にも匹敵するものだ。
通話の必要がないユーザは、Jegoでオンラインのメッセージサービスが無料で利用でき、連絡先をスキャンして同サービスを利用している友達も見つけることができる。現在はMicrosoft(NASDAQ:MSFT)の傘下に入っているSkypeには、5億人を超えるユーザがいる(前所有者が最後に発表した時点)が、どのくらいのユーザがプレミアム通話に利用料を払っているのかは定かではない。
世界のモバイル通信企業は、WhatsappやWeChat、Line、ViberやNimbuzzなどのソーシャルメッセージアプリの脅威に何年もされされてきた。そしてビデオ通話などの新しい機能がそれらのアプリに加わるにつれ、その脅威は高まっている。
WeChatには1億9500万人のアクティブユーザ(全体のユーザは4億人近く)がいる一方で、ラインは先週の時点で1億6000万人の登録ユーザがいる。China Mobileによる密かなJegoのローンチはそういった脅威を追い払うことにはならないだろうが、少なくとも、国際電話の利用者を幾分かは取り戻すための競争に加わることができ、その結果、ひょっとしたら取り戻した顧客を有料利用者に変えることができるのかもしれない。
(このニュースを見つけてくれたTheNextWebに感謝します)
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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